企業法務

顧問弁護士①契約書作成確認

2021.01.29

契約書は作成していますか?

契約書は、後々の紛争を予防、解決するために非常に重要です。

口約束だけの契約は、「言った、言わない」の水掛け論となる可能性が高く、後々面倒です。是非、契約書は作成するようにしましょう。

 

契約書の内容は十分チェックしていますか?

安易に従前の雛型を使いまわしたり、相手方の準備した契約書案をそのまま受け入れたりしていませんか。巷の雛型はあなたの行う取引内容を前提に作成されたものではないですから、修正する必要があります。また、あなたの取引相手は親切心で契約書案を準備するのではなく、自社に有利にしたいがために契約書案を準備してきます。これまで特段不都合がなかったとしても、今後のリスク管理として契約書のリーガルチェックは必須です。

 

弁護士による契約書チェックの必要性

1 合理的な内容の契約書を作成しておかなければ、後々、紛争になる可能性が高いです。 紛争になってしまえば、解決に多くの時間や労力、費用(例えば弁護士費用)がかかってしまいます。さらに、契約書は最重要証拠ですから、その内容が不利であれば、いずれにせよ納得のいく解決を期待することも難しいです。

また、紛争の発生が予想されるような取引では、契約書に紛争の解決策を盛り込むことも必要となってきます。

契約書は、文面上はごく細かな差異でしかないにもかかわらず、その法的意味合いが大きく異なってしまうことが非常に多いです(よく条文は外国語を解読するつもりで読めとも言われています。)。企業の担当者がせっかく入念にチェックしていても、それらに気づくことは難しく、時間対効果が低いというのが現実です。弁護士は、日頃から契約書のチェックを行い、そのいろはを熟知しています。訴訟等に取り組む中でも、問題のある契約書を数知れず扱ってきております。今後紛争を予防し、紛争解決のための余計なコストを回避するためにも、専門家である弁護士に契約書のリーガルチェックをしてもらうことは必須事項です。

2 不適切な契約書文言の例

以下は、櫻井「新版実は危ない契約書」清文社が注意すべきと指摘している契約条項の具体例ですが、素人であれば気付かないかもしれません。

 

例1

第〇条 甲および乙は、本契約を解除することができる。

もし、当事者の一方が(甲or乙)相手方の了解を得ずに契約を一方的に解除する旨を規定したいのであれば、「甲および乙」の文言は不適切です。このままでは、合意解除か一方的解除なのかについて解釈の対立が生じるおそれがありますから、「甲または乙」と規定しなければなりません。

例2

第〇条 甲は、乙に対し、甲所有の不動産を売却するものとする。

「ものとする」という文言では、「将来の売却を約束する(予約)」との解釈が成り立ってしまいます。

 

以上のような誤りは、雛形を安易に流用する場合に生じることもあれば、相手方が契約書案のなかに紛れ込ませることで生じることもあります。

 

弁護士顧問契約の必要性

契約書に個々の企業や取引の特性を十分に反映させるためには、関与する弁護士が各取引内容や会社間の上下関係その他の背景事情を熟知しておく必要があります。したがって、弁護士とは顧問契約を結び、日頃から、企業の状況・状態を知ってもらった上で、気軽に相談できるような協同関係を築いておかれるとよいでしょう。そうすれば、弁護士は、状況に応じて、攻めた契約書から守りの契約書まで様々な契約書案を提案することが可能となります。そして、余計な紛争解決のためのコストを大幅に減らしましょう。

当事務所との顧問契約は、契約書のリーガルチェックに限らず、各場面に応じて様々なサポートを提供しております。顧問弁護士に関心があれば、当事務所までご連絡ください。

 

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債権回収⑤集合動産債権譲渡担保

2021.01.22

譲渡担保とは、例えば、売掛金を担保するため、債務者Aの有する動産甲の所有権を譲り受けたり、債務者AがBに対して有する売掛金を譲り受けたりするものです。Aが売掛金の支払いをしなければ、動産甲を処分したり、AのBに対する売掛金を取り立てたりして、自らの売掛金を回収します。これを「集合的」に利用した債権回収方法について、ご紹介します。この方法をうまく利用すれば、収支改善にもつながります(法人破産を考える前の収支改善の概要は、弊所ブログをご参照ください。https://m2-law.com/blog/1147

 

集合動産債権譲渡担保とは、例えば、債務者Aの倉庫に定期的に一定量の動産が存在するなら、その全てに担保を設定する。債務者AがBに対し定期的に一定量の売掛金を有するなら、その全てに担保設定するというものです。

ただ、このような担保を設定する場合、次のような問題点があるとされていました。即ち、債務者Aの倉庫にある動産に担保設定をしたとしても、それを公示する手段が不十分で、第三者対抗要件(民法178条)を具備したことを証明できない場合がありました。また、債権譲渡担保を設定する場合、担保設定の事実をAとの関係で債務者になるBに知らせなければならない(民法467条2項)のですが、このようなことをするとAの信用不安が起きるという点です。

 

このような問題点を改善するため、動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(以下、特例法といいます。)が制定されました。特例法によれば、債務者Aが法人であって、動産譲渡登記ファイルに登記をすれば、第三者に対する対抗力が生じます(特例法3条1項)ので、この点の立証は十分です。また、債権譲渡登記ファイルに登記をすれば、その時点でBへの連絡がなされたものとみなされます(特例法4条1項)。そのため、債務者Aの信用不安を招くことなく、担保設定の第三者への優先が可能になり、Bとの関係での連絡は、譲渡担保の実行時、即ち、AのBに対する売掛金の取り立て時にすれば足りるということになっています(特例法4条2項)。

 

このような特例法を利用した債権回収は、非常に効果的です。弁護士、司法書士等の専門的知識を必要としますが、当事務所ではその点のネットワークは充実しています。お任せください。

 

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債権回収④動産売買先取特権

2021.01.22

債権回収の方法として、動産売買先取特権(どうさんばいばいさきどりとっけん)という方法があります。この方法を使えば、事業の収支改善に役立つかもしれません(法人破産を考える前の収支改善については、弊所ブログを参照ください。https://m2-law.com/blog/1147

 

1 機器製造会社Xが販売店Y対し、平成25年9月1日、代金支払時期を同年11月30日として、商品甲を代金100万円で売り渡したとします(以下、本件契約といいます。)。この場合を例として、Xの代金債権を担保する動産売買先取特権という方法を紹介します。

(1)前回ご説明した所有権留保(https://m2-law.com/blog/1167)は、XY間の合意による代金債権の担保方法です。

 

今回説明する動産売買先取特権は、法律上当然発生するものです(民法311条5号)。

例えば、本件売買についていえば、XはYに渡した商品甲について「動産の代価及び利息」について先取特権という担保権が認められています。

 

 

(2)そして、Yが平成25年11月30日までに代金を支払わない場合、Xとしては、裁判所に「担保権の存在を証する文書」を提出することで、Yの基にある商品甲について競売開始の許可を得ることが出来ます(民事執行法190条2項)。

従前の民事執行法では、動産競売を開始するには、裁判所執行官に対し、Xが商品甲を「提出」するかYが商品甲の「差押えを承諾する文書」を提出しなければならないとされていました(同条1項)。ところが、民事執行法が平成15年に改正され現在の2項が設けられたことから、その強制執行は格段にし易くなりました。

ちなみに、ここにいう「担保権の存在を証する文書」は何かについて、かつて争いがありましたが、現在は、売買基本契約書・個別契約書、それがない場合には注文書・受取書、これに対応した納品書・請求書で足りるとされており、Yの「実印が押印され印鑑証明書を添付した売買契約書」といった厳格な文書である必要はないとされています。

(3)ただ、所有権留保と異なり、動産売買先取特権には追及効がありません。例えば、Yが商品甲を転売しZのような「第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することはできない」とされています(民法333条)。

しかし、その反面として物上代位といった権利が認められ「目的物の売却…によって債務者が受けるべき金銭…に対しても、行使することができる」とされています(民法304条1項)。但し「先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」ともされています(同条2項)。

その差押えの手続を定めたものが、民事執行法193条1項後段です。その場合にも同様に「担保権の存在を証明する文書」が必要とされており、そこでは、商品甲について、XY間の売買契約書等だけでなくYZ間の売買契約書等も求められる点、注意が必要です。

動産売買先取特権について、効率良い運用をしていくなら、御社の商品売買のシステムそのものを開発する必要があります(売買契約書等をどのようにするか、商品をどのように流通させるか、代金支払いがなかった場合誰が何時どのように対応するか等々)。

この点、当事務所にお任せ頂ければ御社の実体にあったシステム開発をさせて頂きますし、まさかの時にその威力は見逃せません。

 

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債権回収③所有権留保

2021.01.22

1 機器製造会社Xが販売店Y対し、平成25年9月1日、代金支払時期を同年11月30日として、商品甲を代金100万円で売り渡したとします(以下、本件契約といいます。)。この場合のXの代金債権を担保する方法として、所有権留保というものを紹介します。

 

 

(1)所有権留保とは、本件契約の中で、代金完済まで商品甲の所有権をXに留め置くという特約をするものです。

民法176条によれば「物権の…移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生じる」とされており、売買契約における売主の意思表示は「財産権を相手方に移転することを約し」という形でされる(民法555条)のが原則です。ですから、所有権留保とは、それとは異なる特約をXY間で交わすということであり、売買契約書をみていると偶に見かける記載です。

 

(2)このような特約に基づいて、Xとしては、Yから平成25年11月30日までに代金の支払がない場合、本件契約を解除します。特約により、商品甲の所有権はXの基に留保されているのですが、にもかかわらず、Yの基に商品甲があるということは結局本件売買契約においてYに商品甲の使用権収益権が認められているということです。このようなYの使用権等を消滅させるため解除が必要とされています。

そして、本件契約を解除すれば、Yの使用権等は消滅します。そこで、XはYから商品甲の返還を受けることで代金債権を担保するということです。

 

(3)かかる特約は、第三者にも効力を有するとされていますので、たとえ、YがZに商品甲を転売していたとしても、原則として、XはZに商品甲の返還を求めることが出来ます。

ただ、所有権留保により、効率良い運用をしていくなら、御社の商品売買のシステムそのものを開発する必要があります(売買契約書等をどのようにするか、商品をどのように流通させるか、代金支払いがなかった場合誰が何時どのように対応するか等々)。

この点、当事務所にお任せ頂ければ御社の実体にあったシステム開発をさせて頂きますし、まさかの時にその威力は見逃せません。

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債権回収②公正証書の利用

2021.01.22

1 公正証書を利用した債権回収の利点

例えば、あなたが、Aさんに頼まれて80万円を本人に貸したとします。その後、約束の日になってもAさんは80万円を返してくれません。このとき、何も用意していなければ、あなたはAさんに対して「お金を返せ」という訴訟を提起し、判決という形の「債務名義」をもって、強制執行をすることになります。

しかし、裁判というのは終わるまで、結構時間がかかります。80万円が早急に必要な場合であれば、特に困りますよね。このとき、判決に代わる「公正証書」を予め作成しておけば、裁判を経ることなく、迅速に強制執行手続に移ることができます(民事執行法22条5号)。これが公正証書を利用した債権回収の一番の強みです。

 

 

 

2 判決に代わる「公正証書」とは?

公正証書は、公証人によって作成されるもので、公証人は裁判官や検察官を退職した方等が就く役職ということもあって、公的な証明書として社会的に高い信用性が認められています。

そして、その高い信用力を根拠として、契約などの法律行為を示す公正証書のうち、法定の要件(①金銭の支払等を目的とする請求権であること②「執行受諾」文言の記載があること)を満たすものは「執行証書」とよばれ、確定判決に認められるものと同じ執行力が認められます。ただ、その要件からして、不動産の明渡請求権等の執行には用いることが出来ない点に注意してください。

例えば、最初の事案であれば「①(あなた)とAは平成○年○月○日付で、弁済期を平成×年×月×日とする金80万円の返還約束をし、80万円を交付した。②債務を履行しないときにはAは直ちに強制執行に服する」という記載の公正証書を作成すれば、裁判をせずに強制執行できるということです。

 

 

 

3 公正証書作成

以上のように、執行力を有する公正証書を作成しておくことは、債権回収として非常に有用です。もっとも、公正証書作成には一定のルールがあり、また、どのような公正証書を作成することが効率的な債権回収につながるかは、弁護士の専門的知識と経験が物を言います。

この点、当事務所に相談してもらえば公正証書作成のアドバイスを丁寧にさせていただきます。お任せください。

 

 

 

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債権回収①弁護士による場合

2021.01.21

弁護士による債権回収は、一般的に次のような流れになります。

 

(1) 弁護士名の内容証明郵便による督促

弁護士があなたの代理人として、債務者に対し「通知書」という形で債務の履行を督促します。通知書には、支払期限までに支払わないときは、法的手段をとることを併記し、任意での支払いを促します。この通知で支払いを行わないときは、以下のような法的手続がとられるため、支払いを促す心理的な効果もあるようです。

 

 

(2) 仮差押え

仮差押えとは、金銭債権の執行を保全するために、債務者の財産の処分に一定の制約を加える裁判所の決定で、具体的には、不動産の仮差押え、債権の仮差押えなどがあります。

金銭債権の回収を図るためには、次の民事訴訟を提起して判決などの債務名義を取得した上で、債務者の財産に対して強制執行をする必要がありますが、裁判には一定の時間がかかります。その間に、債務者の財産が散逸してしまったりして、強制執行をしても満足を得られなくなってしまうという危険を防ぐため、債務者の財産を仮に差し押さえておくというものです。

ただし、あくまで仮の差押えですので、後に民事訴訟によって請求債権が存在せず、債務者に損害を与えてしまったような場合のため、担保金を積む必要があります。担保金の額は、事案によって様々ですが、不動産の仮差押えの場合で、その不動産の価格の5~35%程度になります。

債務者が財産を処分してしまう可能性が高い場合には、上記(1)に先んじて仮差押えを取得しておくこともあります。

仮差押えがなされた段階で、その仮差押えを解除するために、債務者から任意で支払われる場合もあります。

 

 

(3) 民事訴訟の提起

裁判所に対し、「被告は原告に対し、金○○円を支払え。」との判決を求める手続きです。判決が得られた場合には、この判決が債務名義となり、次の強制執行を行うことができます。

また、裁判所内で、債務者の収入等に応じた和解(例えば分割払いなど)が成立することもあります。なお、裁判所で和解が成立した場合には、和解調書が作成され、その和解内容は判決と同一の効力を持つことになりますので、仮に和解の内容通りに支払ってもらえない場合などには、その和解調書が債務名義となって、強制執行を行うこともできます。

 

 

(4) 強制執行

国の力を借りて相手方の財産を強制的に換価し、その代金から債権回収を図る方法です。具体的には不動産の強制競売、預金や給料の差押えなどがあります。

 

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