事業再生法人破産

中小事業再生GL①概要等

2022.06.20

1 はじめに

  令和4年3月、中小企業の事業再生等に関する研究会が「中小企業の事業再生に関するガイドライン」を発表しました(以下、中小企業事業再生GL、若しくは、単にGLといいます。)。GLは3部構成になっていて、第一部では「ガイドラインの目的等」が示され、第二部では「中小企業の事業再生等に関する基本的な考え方」として、有事における中小企業者と金融機関の対応等が示されています。そして、第三部が「中小企業の事業再生等のための私的整理手続」です。

 今回は、第三部を中心に簡単な解説をしていきます。先ずは、概要と関係者の説明です。

 

2 中小企業事業再生GLに定める私的整理手続の位置づけ

(1)GL第三部に定める私的整理手続は、準則型の私的整理手続で、経営困難な状況にある中小企業者である債務者を対象に、法的整理手続によらずに、債務者である中小企業者と金融機関等の債権者との合意に基づき、債務について、返済猶予、債務減免等を受けることで、中小企業者の円滑な事業再生や廃業を行うことを目的としています(私的整理手続の概要については、https://m2-law.com/blog/1216/ を参照下さい。)。

(2)似ている制度として中小企業再生支援協議会スキーム(以下、支援協スキームといいます。)を利用した私的整理手続があり、どちらも、第三者介在型の私的整理手続ですが、両者の立ち位置を図式化し比較すると以下のとおりになり、支援協スキームが「官」を介在した手続であるのに対し、中小企業事業再生GLは「民」を介在した手続となります。

      【支援協スキーム】           【中小企業事業再生GL】

      中小企業再生支援協議会          第三者支援専門家

     対象債務者 ⇔ 対象債権者       対象債務者 ⇔ 対象債権者

 

両制度の大雑把な違いは以下のとおりです。

 

中小企業事業再生GL

支援協スキーム

手続関与者

第三者支援専門家(民)

再生支援協議会(官)

対象債権者

リース債権者も対象

リース債権者は対象外

対象債務者

学校法人、社会福祉法人等も利用可

学校法人、社会福祉法人等は利用不可

 

3 対象債務者・対象債権者等

(1)対象債務者

 (ⅰ)中小企業者(中小企業基本法2条1項)

    ※ 個人である中小企業者、学校法人、社会福祉法人等も対象としています(GLQ&A3)。

※ 基本法2条5項の小規模事業者も含まれます(おおむね常時使用する従業員の数が20人以下、商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、5人以下)。なお、小規模事業者については、後述の数値基準が緩和されています(GL第三部1.4(4)②参照)。

 (ⅱ)要件

    ア 再生型私的整理手続

     ① 収益力の低下、過剰債務等による財務内容の悪化、資金繰りの悪化等が生じることで経営困難な状況に陥っており、自助努力のみによる事業再生が困難であること

     ② 中小企業者が対象債権者に対して中小企業者の経営状況や財産状況に関する経営情報等を適時適切かつ誠実に開示していること

     ③ 中小企業者及び中小企業者の主たる債務を保証する保証人が反社会的勢力又はそれと関係のある者ではなく、そのおそれもないこと

    イ 廃業型私的整理手続

     ① 過大な債務を負い、既存債務を弁済することができないこと又は近い将来において既存債務を弁済することができないことが確実と見込まれること(法人の場合は債務超  過の場合を含む)

     ② 円滑かつ計画的な廃業を行うことにより、中小企業者の従業員に転職の機会を確保できる可能性があり、経営者等においても経営者保証に関するガイドラインを活用する等して、創業や就業等の再スタートの可能性があるなど、早期廃業の合理性が認められること

     ③ 中小企業者が対象債権者に対して中小企業者の経営状況や財産状況に関する経営情報等を適時適切かつ誠実に開示していること

     ④ 中小企業者及び中小企業者の主たる債務を保証する保証人が反社会的勢力又はそれと関係のある者ではなく、そのおそれもないこと

)対象債権者

   銀行、信金、信組、労金、農協、漁協、政府系金融機関、信用保証協会(代位弁済を実行し、求償権が発生している場合。保証会社含む。)、銀行等からの債権譲渡を受けているサービサー等及び貸金業者

  ※ リース債権者は、廃業型の場合は原則として、再生型の場合は必要に応じて対象債権者となります(GLQ&A20)。

(3)外部専門家

   中小企業者が、手続の利用にあたって、必要に応じて相談する弁護士、公認会計士、税理士等(弁護士なら、代理人として計画策定支援や交渉等にあたることになります。)。

(4)第三者支援専門家

   第三者である支援専門家(弁護士、公認会計士等の専門家であって、再生型私的整理手続及び廃業型私的整理手続を遂行する適格性を有し、その適格認定を得たもの

 

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投稿者:弁護士法人村上・新村法律事務所

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