事業再生法人破産

リース債権の保証解除

2023.10.10

1 経営者保証に関するガイドラインの公表 

中小企業に対する融資の際、会社代表者の保証がされることが多いですが、経営者が自ら保証していることで、思い切った事業展開ができなかったり、保証後に経営が傾いてきた場合に早期の事業再生への決断を阻害するといった側面がありました。

 そこで「経営者保証に関するガイドライン」が公表されました(以下、GLといいます。)。GLの概要は、①保証契約時の対応(融資の際に保証を求めないこと等)と②保証債務の整理手続の2つですが、ここでは②に関する解説になります。

 

2 保証債務の整理手続 

 保証債務の整理手続は、保証解除を認めるものですが、前提として、それはGL対象の保証債務であることが必要です。

そこで、対象となる(保証)債権者は誰なのかが問題になりますが、GLQ&A【B各論】Q1-1のAでは、対象債権者を「中小企業に対する金融債権を有する金融機関等であって、現に経営者に対して保証債権を有するもの、又は将来これを有する可能性のあるものをいいます。 信用保証協会(代位弁済前も含む)、既存の債権者から保証債権の譲渡を受けた債権回収会社(サービサー)、公的金融機関等も含まれます。なお、保証債権が債権回収会社(サ ービサー)等に売却・譲渡される場合においても、ガイドラインの趣旨に沿った運用が行われることが期待されます。」としています。

つまり、これを素直に読む限り、対象債権者は「金融機関等」とされているので、リース債権の保証債権者は、対象債権者に含まれないようにも思えます。

 

3 中小事業再生ガイドラインの公表

ところが、R4年4月に中小事業再生ガイドライン(以下、中小事業再生GLといいます。)が公表され、その三部に定める私的整理手続は、準則型の私的整理手続として、経営困難な状況にある中小企業者である債務者を対象に、法的整理手続によらずに、債務者である中小企業者と金融機関等の債権者の合意に基づき、債務について、返済猶予、債務減免等を受けることで、中小企業の円滑な事業再生〈再生型〉や廃業〈廃業型〉を行うことを認めました。

その上で、中小事業再生GLQ&AのQ20のAは「再生型の場合、原則として、リース債権者は対象債権者に含まれませんが、第一部 3.に記載のとおり私的整理を行う上で必要なときは含むものとしております。例えば、事業再生計画においてリース対象物件を処分することが想定されている場合や、金融債権と同等以上のリース料残高があり、当該リース料残高の支払が困難なことが想定されている場合など、リース債権者を対象債権者として含むことが合理的と考えられる場合もあると考えられます。廃業型の場合は、リース対象物件を処分し清算することが想定されているため、原則として、ファイナンスリース・オペレーティングリースの別を問わず、リース債権者も対象債権者に含みます。」としています。

写真のようなコピー機、車、製造機器等は、リースによって賄っているいる事業者は多いでしょうから、その保証債務が解除される得るというのは、大きな魅力でしょう。

 

4 廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的な考え方の公表 

それを踏まえて発表されたのが『廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的な考え方』です(以下、考え方といいます。)。考え方の3(1)リース債権者という項目では「中小企業は、ファイナンス・リース契約又はオペレーティング・リース契約 (以下「リース契約」という。)を締結し、設備投資等を行うことが多い。 廃業時における保証債務の整理においては、主たる債務者が廃業するに当たり、事業に使用しているリース対象資産を処分することが想定され、リー ス契約に係る保証債務が顕在化することが想定される。そのため、廃業時に おける保証債務の整理においては、リース契約に係る保証契約を締結した リース債権者は、ガイドライン上の対象債権者になり得るため2、保証債務の整理に関する協議を求められた場合には、ガイドラインに基づく対象債 権者として参加することが強く求められる。」とされています。

 この廃業時という概念には、破産手続による法的廃業も含まれますから、主債務者が破産した場合にもGLに基づきリース債権の保証債務も解除できることが明確化されたことになります。

 

5 最後に

 私的整理・保証解除については、制度の大枠は大分定められましたが、まだまだ流動的なジャンルで、十分に対応するには弁護士の協力が不可欠です。その分弁護士費用は掛かりますが、破産等の法的整理をしないメリット・保証債務を解除できるメリットを考えると、相応の価値はあると考えられます。最終的にどのような手続を選択するかは、ケースにもよりますし、依頼者の方の判断になりますが、判断前の選択肢は多いに越したことはありません。その意味で、取り急ぎアポイントの上ご来所頂ければと思います。

 

法人の破産再生・保証解除の相談は、弁護士法人村上・新村法律事務所まで

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投稿者:弁護士法人村上・新村法律事務所

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