2021.01.20
事業に行き詰まりを感じている会社・法人の経営者は少なくないでしょうが、弁護士から見た場合「破産するまでもない」というケースが結構存在します。そこで、村上新村法律事務所の視点から、経営者が破産申立をする前に知っておくべきこと・考えておくべきことを、事業再生と関連して、数回に渡りブログ連載してみます。
法人破産を考える前にすべきことは、収支改善ができないか、負債を何とかできないかという2点です。とりあえず、今回は収支改善方法から。
収入を増やせないか
① 収入を増やすことにも、2つの方向があり、先ずは売上を増やせないか。
ただ、再生を試みる事業であるから問題を抱えていますので、その問題点を把握し克服していかなければなりません。そのためには、当該事業の内外の環境を分析し、当該事業の強み・弱み、機会・脅威を知る必要があります。
② もう1つの方向は、代金回収を増やせないか。商品を卸したのはいいが代金が回収できなければ意味がありません。
それは、弁護士の得意(https://m2-law.com/blog/1158)とするところですが、代金回収が現に遅れている事後対策としては、内容証明を送る、仮差押・訴訟・強制執行をするといった方法があります。
また、代金が発生する前の事前対策としては、公正証書(https://m2-law.com/blog/1165)を交わして保証人をつける、担保権を行使するといった方法もあります。
担保権というと大袈裟のようですが、例えば、動産の売主には動産売買先取特権(民法311条5号https://m2-law.com/blog/1169 )という法定担保権があり、効率よく(行使するには工夫が必要だが上手く使えば)それなりの回収が可能になります。また、所有権留保(https://m2-law.com/blog/1167)という手段もあります。
「担保といっても金融機関に全て押さえられている」と諦めるのは早く、倉庫の商品(動産)や卸先相手方の売掛先の代金債権を集合動産債権譲渡担保(https://m2-law.com/blog/1171)といった方法で押さえておく手もあります。
支出を減らせないか
収支改善のもう1つの方法は、支出を減らすこと。収入>支出であればいいからです。「それくらいわかっているし努力はしている」といわれるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。
① 賃料はどうでしょう。このご時世賃貸人にも都合があります。綺麗で安値の物件が増えてきているので、この賃借人には出て行って貰いたくないと思ってくれるなら、話し合い等をすれば賃料を減らせることも多いです。苦しいときには頭を下げることも必要です。
② それから固定資産税、都市部であれば相応の税金を支払っていると思われますが、基本となる固定資産の評価下げができれば、相応の税金負担が下がります。不動産鑑定士等専門家の協力も必要ですが、費用を超える効果があれば結局得になります。
③ 人件費についても、就業規則等の改善や外注化により、残業代等を減らすことも可能かもしれません。この点も、社会保険労務士等専門家の協力が必要な場合もありますが、要は費用以上の経費削減ができればよいことです。
これら専門家を必要とする場合は、細かく動くと際限がいないので、システマティックに一気に制度化してしまうことが経済的にも合理的です。先に述べた債権回収システムの構築を弁護士等に依頼する場合も同様です。
法人破産を考える前に
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