不動産

賃貸住宅管理業法②誇大広告規制

2021.10.04

 

 

1 はじめに

  管理業法28条では、特定転貸業者等による誇大広告等が禁止されています。条文は、次のようになっています。

第28条(誇大広告等の禁止)
 特定転貸事業者又は勧誘者(特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)(以下「特定転貸事業者等」という。)は、第2条第5項に規定する事業にかかる特定賃貸借契約の条件について広告をするときは、特定賃貸借契約に基づき特定転貸事業者が支払うべき家賃、賃貸住宅の維持保全の実施方法、特定賃貸借契約の解除に関する事項その他の国土交通省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

 長くてわかりづらいですよね。詳しくはこれから解説しますが、おおまかにいうと、業者がサブリースの広告をするときには、実際よりも著しく優良であると誤認させるような広告をしてはならないということが規定されています。

 

2 特定転貸事業者とは

(1)ちなみに、前提として「特定転貸事業者」とは、特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者をいいます(管理業法2条5項)。

(2)そして「特定賃貸借契約(マスターリース契約)」とは、賃貸住宅の賃貸借契約(賃借人が賃貸人と密接な関係を有する者として国土交通省令で定めるものを除く-賃貸人が、個人である場合の親族・法人である場合の親子会社等)であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるものをいいます(管理業法2条4項)。

 老人ホームやデイケアホームを利用契約という形で運営する場合は「賃貸住宅の賃貸借契約」に関するものではなく、特定賃貸借契約にあたりません(FAQ1(3)5)。また、個人が賃借した賃貸住宅について、事情により、一時的に第三者に転貸するような場合は「事業を営むことを目的」とするものではなく、特定賃貸借契約にあたりません(FAQ1(3)1)。

(3)ここも、少しわかりにくいですが「賃貸住宅」をサブリースする「業者」は「特定転貸事業者」に該当すると考えられます。

 

3 誇大広告等

管理業法28条のタイトルは、誇大広告「等」の禁止です。ここから、実際の条件より優良であるとみせる「誇大広告」が禁止されていることがわかります。では「等」には、何が含まれるのでしょうか。この等には、「虚偽広告」が含まれるとされています。「誇大広告」と「虚偽広告」を併せて、「誇大広告等」と表現されているのです。

ここでいう広告とは何でしょうか。広告と言えば、新聞の折込チラシやテレビCM等が思い浮かびます。最近は、インターネットでも広告を見かけることも多くなりました。管理業法28条が対象とする広告は、その媒体が限定されておらず、すべての媒体でされる広告が対象となります。

 

4 誇大広告等をしてはならない事項

  誇大広告等をしてはならない事項として、管理業法28条では、①賃料に関する事項、②物件の維持等に関する事項、③維持費の分担に関する事項、④解除に関する事項及び⑤その他国土交通省令で定める事項が規定されています。

 

5 「著しく事実に相違する表示」

  管理業法28条では「著しく事実に相違する表示」が禁止されています。どのような場合に「著しく」といえるかは、個別の表示に即して判断されることとなりますが、一般論としては、オーナーとなろうとする者が事実の相違を知ればサブリース契約を締結しようと思わないような場合に「著しく」にあたると考えられています。

 

6 「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」

 管理業法28条では、「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」が禁止されています(具体例については後述します。)。誤認するかどうかは、オーナーの知識にもよるのでは?とも考えられそうです。しかし、ここでのオーナーには、サブリース契約の内容等につき、専門的知識や情報を有していないオーナーが想定されています。したがって、専門的知識のないオーナーを誤認させるような表示は、同条の「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」に該当すると考えられています。

 

7 記載の具体例

 以下では、いくつかの具体的な記載を紹介しながら、解説を行います。ここで紹介しきれなかった具体例については、「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」をご参照ください。

(1)具体例1

 記載例

・「○年家賃保証!」「支払い家賃は計約期間内確実に保証!」

 解説

  判例上、サブリース契約にも借地借家法の適用があるとされています。そして、借地借家法32条では、賃料減額請求が規定されています。賃料減額請求とは、一定の場合に、賃借人(サブリース業者)から賃料の減額を請求できる権利です。家賃保証との記載があるとしても、実際には、賃料が減額される可能性があるのです。したがって、上記の内容のみでは、管理業法28条に違反するものと考えられます。

 管理業法28条に違反しないためには、上記の記載に加え、その記載と隣接する箇所に、「定期的な見直しがあること」等のリスク情報についても表示することが必要になるのです。さらに、実際には、記載の文字の大きさにも注意しなければなりません。

 

(2)具体例2

 記載例

 ・「いつでも自由に解約できます」

 解説

  前述したとおり、サブリース契約にも借地借家法の適用があります。借地借家法では、貸主(オーナー)側から契約を解除するには、「正当な理由」が必要です。そのため、サブリース契約は、オーナーがいつでも自由に解除できるわけではありません。

 

(3)具体例3

 記載例

 ・「30年一括借り上げ」「建物がある限り借り続けます」

 解説

  広告では上記のような記載をしていても、実際には、一定の場合には業者側から解約できる場合があります。業者側からの解約の可能性があるのに、その旨を記載しないことは、管理業法28条に違反すると考えられます。
 この場合、一定の場合には業者側から解約できることを表示しなければなりません。

 

6 まとめ

  以上のように、管理業法では、誇大広告等が禁止されています。管理業法28条の対象となる広告は、チラシやインターネット等媒体の如何を問わないので、広告媒体ごとに注意すべきポイントもあります。
 記載例もいくつか紹介しましたが、これらはあくまでも例であり、実際には広告を見たうえで具体的に検討することが必要になります。

 

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四半期決算

2021.10.01

 

 四半期決算とは、一年を四つにわけて、3か月毎に決算する仕組みで、上場会社に義務付けられている制度です。これが始まると、会社経営が目まぐるしくなり、大変なんですが「生きている(?生かされている、笑)」という実感は湧きますね。

 実は、村上・新村法律事務所の顧問先であるアスタリスクが、昨日(9月30日)、東証マザーズに上場しました。アスタリスクというのは、スマフォやパソコンのキーボードで見かける「*」の表示で、村上は「米印みたいな」と説明する叔父さんですが、正確には星を意味するようですね。最近は、ユニクロとの訴訟で、一躍有名になりましたね。

 

 鈴木社長とは、知り合ってからちょうど10年になりますが、ついに偉業を果たされました。ただ、健康に留意され、次の、またそのまた次の、ステップに上がって頂けることを、希望し、応援します(^.^)/~~~

 

 ところで、実は、うちも法人化して、昨日で丸9年が終了し、今日(10月1日)から10年目に突入します。まだまだ全然爪先にも及びませんが、村上も頑張っていきたいと思います。

 

 やっと緊急事態宣言もあけましたし、今から福知山に行ってきます🚙。

 

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賃貸住宅管理業法①賃貸住宅管理業

2021.09.21

 

1 はじめに

(1)背景事情

 近年、賃貸住宅管理業務を、建物のオーナー自らが行う割合は大幅に減少し、業者に委託するケースが増えています(平成4年度:25%→令和元年度:81.5%)。これは、オーナーの高齢化、相続等に伴う兼業化の進展とそれに伴うアマチュア化、管理内容の高度化などに起因すると考えられています。ただ、賃貸住宅に管理業者が介在することにより、オーナー・管理業者・入居者の三者間でのトラブルも増加してきました。

 これまでも、管理業者の任意登録制度と登録業者のみに課されるルールは存在しましたが、それだけではトラブルを十分に防ぐことが困難となってきたので、不良業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、「賃貸住宅の管理業務の適正化に関する法律(以下、管理業法といいます。)」が制定され、その中で新しく賃貸住宅管理業に関する規定が設けられました。

(2)賃貸住宅管理業とは

 管理業法2条2項において「賃貸住宅管理業」は、賃貸住宅の賃貸人から委託を受け事業として行う、以下の①、②の業務と定義されています。

① 賃貸住宅の維持保全業務(点検・清掃・修繕及びそれに係る契約締結の媒介・取次ぎ・代理を含む)

➡ 玄関・通路・階段等の共用部分、居室内外の電気設備・水道設備、エレベーター等の設備等について、点検・清掃等の維持を行い、これら点検等の結果を踏まえた必要な修繕を一貫して行うこととされていて、以下の場合を含みません(FAQ1(2)3)。

Ⅰ 定期清掃業者・警備業者・リフォーム工事業者等が、維持又は管理の「いずれか一方のみ」を行う場合

Ⅱ エレベーターの保守点検・修繕を行う事業者等が、賃貸住宅の「部分のみ」について維持から修繕までを一貫として行う場合

Ⅲ 入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕(維持・修繕業者への発注等を含む)を行っていない場合

② 賃貸住宅の家賃、敷金、共益費等の管理業務(上記①と併せて行うものに限る。)

2 概要

(1)登録制度(管理業法3条~9条関係)

 賃貸住宅管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。なお、管理戸数が200戸未満の者の登録は任意ですが(規則3条)、登録すると以下に述べる賃貸住宅管理業者の義務も課せられ、監督処分や罰則の対象にもなることに留意しましょう(FAQ2(1)11、(3)1)。

(2)賃貸住宅管理業者の義務

① 営業所又は事務所ごとに「業務管理者」の配置(管理業法12条)

 なお「業務管理者」になるにあたっての要件は規則14条に規定されており、実務経験の有無、宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士資格の有無によって「業務管理者」になるまでの流れが異なります。

② 管理受託契約の締結前の書面交付(重要事項説明書・管理業法13条)

 管理業務においてオーナーが期待している対応がなされないというトラブルが多いことから「契約を締結するまでに」業務内容等を明確にするための重要事項を記載した書面を交付して説明しなければならないとされました。

 管理業者は、具体的な管理業務の内容・実施方法、一部の再委託に関する事項等を説明する必要があります(規則31条)。この説明は「業務管理者」によって行われることは必ずしも要しませんが「業務管理者」又は一定の実務経験を有する者など専門的な知識及び経験を有する者が行うことが推奨されています。なお、重要事項説明は、オーナーから委託を受けようとする賃貸住宅管理業者自らが主体として行うものであることに留意してください(国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方(以下、考え方といいます)」15頁)。

 なお、重要事項説明については、オーナーが契約内容を十分に理解した上で契約を締結できるよう、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましいとされており、説明から契約締結までの期間を短くせざるを得ない場合には、事前に重要事項説明書を送付し、その送付から一定期間後に、説明を実施するなどして、管理受託契約を委託しようとする者が契約締結の判断を行うまでに十分な時間をとることが推奨されています(考え方15頁)。

③ 管理受託契約の締結時の書面交付(管理業法14条)

 賃貸住宅管理業者は、管理受託「契約を締結したときは」オーナーに対し、確定した契約条件を当事者同士で確認できるよう、遅滞なく、必要事項を記載した書面を交付しなければなりません。適正化法13条の重要事項説明書は、契約締結に先立って交付する書面であり、ここでいう締結時の書面とは交付するタイミングが異なる書面ですから、両書面を一体で交付することはできないとされていますので注意しましょう(FAQ3(2)3)。

④ 再委託の禁止(管理業法15条)

 再委託のせいで管理業者の責任内容が不明確になるという例が多かったので、管理業務の再委託は原則禁止になりました。

 管理受託契約に管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときは、一部の再委託を行うことができますが、自らで再委託先の指導監督を行わず、全ての管理業務を他者に再委託すること、又は、管理業務を複数の者に分割して再委託して自ら管理業務を一切行わないことは、本条に違反します。

 なお、契約によらずに管理業務を自らの名義で他者に行わせる場合には、禁止されている名義貸し(管理業法11条)に該当する場合があるため、再委託は契約を締結して行う必要があります(以上、考え方19頁)。

⑤ 分別管理(管理業法16条)

 管理業者からの賃料・敷金等の入金の遅れ・不入金のトラブルが多かったことから、事業者の自己の固有の財産等と入居者等から受領する金銭を「分別」する義務が定められました。分別等の方法については、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する「口座を別」とした上で、管理受託「契約毎」に金銭の「出入を区別した帳簿を作成」する等により勘定上も分別管理する必要があるとされています(規則36条、考え方19頁)。

⑥ 定期報告(管理業法20条

 管理業務の実施状況の不透明や入居者の意見が反映されにくいという問題があったことから、業務の実施状況や入居者からの苦情の発生・対応状況について、オーナーに対して定期報告の義務が課されました。規則40条1項によれば、それは「契約を締結した日から一年を超えない期間ごと」とされています。 

 

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位置指定道路

2021.08.27

というのは、聞きなれない言葉かもしれませんが、建築基準法(以下、単に「法」といいます。)42条1項5号により、接道義務を充たすための道路として取り扱われるものです(接道義務については、https://m2-law.com/blog/2450/ )。例えば、広い土地を分譲して複数の建築物を建てようとした場合、道路に接していない建築物の敷地が発生することがありますが、その場合に広い土地の一部に位置指定道路を設置することで分譲後の建築物の敷地が接道義務を果たすことができるようにするものです。

ところで、ここで道路とされる「広い土地の一部」というのが、共有地を含む私有地であることが多いことから、道路の敷地所有者と通行者との間で通行方法や通行妨害に関する紛争が生じやすいので、これらの紛争に関する裁判所の基本的考え方(最1小判平成9年12月18日、以下、本件最高裁判決といいます。)について説明したいと思います。

なお、図面画像は、本件最高裁判決の「判例解説民事篇・法曹会」からの引用です。

1 事案の概要

 位置指定道路の所有者以外の者(Ⅹら)が位置指定道路所有者(Yら)に対し通行妨害排除・妨害予防請求をした事案です。

 昭和33年頃に分譲住宅団地が開発された際に各分譲地に至る通路として、幅員4mの私道が位置指定道路として指定されました(以下、本件私道といいます。)。30年以上Xらを含む近隣住民等の徒歩及び自動車による通行の用に供されてきており、自動車を利用するXらにとっては、その居住地から公道へ出るには、本件私道の通行が不可欠でした。しかし、YらがXらの自動車通行を図面(A)の近辺に簡易ゲートを置いて妨害するので、原告らは妨害排除及び妨害予防を求めました((A)とは別のもう一方の端は階段状になっていて、仮に平面上の道にしても勾配が急であるため自動車は通行できません。)。第1審はⅩらの請求を認め、第2審もYらの控訴を棄却したところ、Yらが最高裁に上告しました。

2 最高裁の判断

ア 判断枠組み

 最1小判平成9年12月18日(以下、本件最高裁判決といいます。)は「建築基準法四二条一項五号の規定による位置の指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有するものというべきである。」という判断枠組みを示しました。そして、Xらが位置指定道路を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しており、YらがXらの通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情があるということはできないとして、Ⅹの請求を認めた第2審の判断を支持しました。

イ 理由

 ちなみに、本件最高裁判決が理由とするのは、次の点です。即ち「道路位置指定を受け現実に開設されている道路を公衆が通行することができるのは、本来は道路位置指定に伴う反射的利益にすぎず、その通行が妨害された者であっても道路敷地所有者に対する妨害排除等の請求権を有しないのが原則であるが、生活の本拠と外部との交通は人間の基本的生活利益に属するものであって、これが阻害された場合の不利益には甚だしいものがあるから、外部との交通についての代替手段を欠くなどの理由により日常生活上不可欠なものとなった通行に関する利益は私法上も保護に値するというべきであり、他方、道路位置指定に伴い建築基準法上の建築制限などの規制を受けるに至った道路敷地所有者は、少なくとも道路の通行について日常生活上不可欠の利益を有する者がいる場合においては、右の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、右の者の通行を禁止ないし制限することについて保護に値する正当な利益を有するとはいえず、私法上の通行受忍義務を負うこととなってもやむを得ないものと考えられるからである。」というものです。

 

3 解説

 本件最高裁判決は、Xらの妨害予防・排除請求権を人格的権利として認めるべきである考えたものです。ただ、人格的権利について示された「日常生活上不可欠」という要件は、相当程度厳しいもので、妨害排除請求が必要以上に認められることを防ぐ機能を果たしています。本件のポイントは「自動車を利用するXらにとっては、その居住地から公道へ出るには、本件私道の通行が不可欠」という点にあります。例えば、他に外部の道路への通路がある場合には、係争の道路を通行する方が便利であっても「日常不可欠」とはいえないことが多いでしょう。ところが一旦、通行が日常生活上不可欠であると判断された場合には、道路敷地所有者側にそれを上回る損害が発生しているとして請求が棄却されることはあまり多くないでしょう(「特段の事情のない限り」原則として「敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有する」という本件最高裁判決の判断枠組みがそのことを示しています。)。従って、通行者の請求が棄却されるのは、通行者の通行態様が乱暴であるとか、道路の維持管理費用が看過し得ないほど高額にのぼるのに通行者が応分の負担をしようとしないなどの場合に限られるでしょう。

 

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接道義務

2021.08.02

1 はじめに

 今回から暫く、不動産関連ブログの連載です。下手へた画像で申し訳ありません(笑)。ただ、ないよりあった方がマシかと思い、恥を忍んで書いて載せました。絵心があれば、フリーハンドでも、もう少しアジがでるのですが、、、

 さて、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図る法律として、建築基準法(以下、単に「法」といいます。)があります。法では、上記目的から建築物に関し様々な義務が定められており、これから説明する接道義務もそのひとつです。

 

2 接道義務(法43条)

 法43条1項は「建築物の敷地は、道路(省略。)に二メートル以上接しなければならない」と定めており、敷地までの幅員(ふくいん)が連続して2m以上であることが必要と解されています。

 建築基準法施行(昭和25年)以前に存在し若しくは工事中であった建築物の敷地に上記規定は適用されません(法3条2項、既存不適格)。他方、例えば、工事の着手が法の施行後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物の敷地については接道義務の規定が適用されます(同3項3号)ので、接道義務に反する工事を行うことができません。ちなみに、大規模の修繕や模様替とは、建築物の「主要構造部」(法2条5号)の一種以上について過半に行う場合です(同14・15号)。

 

3 建築基準法上の「道路」(法42条)

 それでは「道路」とはどのようなものかというと、それは法42条に規定されていて、1項では「道路」としては幅員4メートル以上が必要な場合を、2項は幅員4メートル未満の道でも「道路」とみなされる場合を規定しています。

 

4 位置指定道路(法42条1項5号)

 法42条1項の「道路」とは、同1号の定める道路(高速道路、国道、都道府県道、市町村道といった公道)や同3号の定める道(公道、私道を含む)等があります。

 また、位置指定道路といって「土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造(上記3号参照)する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの」もあります。例えば、広い土地を分譲して複数の建築物を建てようとした場合、道路に接していない建築物の敷地が発生することがあり、その場合に広い土地の一部に位置指定道路を設置することで分譲後の建築物の敷地が接道義務を果たすことができるようにするものです。

 位置指定道路の所有関係は、面する敷地の所有者らが共有したり分筆所有したりしている場合や、元の地主個人や土地を分譲した業者が所有している場合等様々です。そして、位置指定道路とされた土地の所有者は、位置指定の適法な廃止・変更がされない限り、位置指定道路内に建築物や擁壁を建築できない等の制限を受けます(法44条、45条)。

 

5 みなし道路(2項道路)

 建築基準法の施行時などに既に存在していた幅員4m未満の道は、前述のとおり原則として接道義務における道路にあたりません。しかし、道の幅員のみを理由に過度な建築制限を受けないよう建築の自由に配慮して、一定の場合には道路とみなす規定もあります。

 接道義務の規定ができた昭和25年に現に建築物が立ち並んでいる道で、特定行政庁が指定したものを、法が定める「道路」とみなすのが法42条2項です。このような道は2項道路と呼ばれています。

 2項道路に指定されると、当該道が「道路」とみなされ、道の中心線から水平距離2m後退した線が道路境界線とみなされます。その結果、その境界線よりも道路側には建築物を建てることができなくなります(法44条1項柱書)。これをセットバック義務といいます。なお、2項道路に指定されていなければ、単なる既存不適格物件に過ぎないですから、たとえセットバックをしたとしても、建築物の増築、改築、大規模修繕等は許されません(法3条2項、3項3号)。

 

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事業譲渡⑥破産手続

2021.07.28

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1 破産手続による事業再生 

 破産手続は、清算型手続であり、本来、事業再生を予定していません。ただ、債務者の事業自体が採算の取れる優良なものであれば、債務者・負債から切り離して譲渡換価することで、破産債権者を満足させる一方、事業そのものの再生存続も図れます。一見矛盾するようですが、これが破産手続による事業再生というものです。破産手続における事業譲渡を理解するには、事業譲渡の「時期」を意識する必要があります。

 

2 破産手続申立前の事業譲渡

 これは、事業譲渡が破産手続申立前にされ、破産手続開始決定後、債務者の管理処分権が破産管財人に引き継がれるケースです。その後、管理処分権を引き継いだ破産管財人が、破産手続申立前の事業譲渡が適正かどうかについて判断します。この場合のメリットとデメリットは、以下のとおりです。

(1)メリット(事業価値毀損が避けられる)

 破産手続申立前に事業譲渡を行う場合の大きなメリットは、事業価値を保ったままでの事業譲渡がより行いやすいという点です。

① 先ず「破産」という事実は、債務者の顧客にとっても、従業員にとってもイメージが悪く、破産手続申立により、事業価値が急速に劣化する可能性があります。

② 次に、破産手続開始決定によって、一旦、その事業は停止するのが原則と考えられていることから、事業停止による事業価値毀損のリスクもあります。

③ そして、破産手続開始決定後の事業譲渡は、破産管財人により行なわれます。ところが、破産管財人は、通常弁護士が選任されるところ、必ずしも経営の専門家ではないことから、事業を継続し譲渡するという局面で適切な判断を下せない可能性があり、結果として事業価値の最大化という目的を果たせないことが考えられます。

④ なお、破産手続申立前の事業譲渡については、裁判所の許可等(破産法78条2項3号)が不要で迅速に行えることから、より事業価値毀損を避けることが可能です。

(2)デメリット(否認権行使のリスク)

   破産手続申立前に事業譲渡を行う場合の大きなデメリットは、破産管財人により否認権を行使されるリスクです。

  ① 先ず、事業譲渡後に破産手続申立がされ、破産手続開始決定が出た場合、裁判所から選任された破産管財人としては、事業譲渡の内容が価額の面も含め、適正であったか検討します。そして、破産管財人が、事業譲渡について、債権者を害する行為と判断した場合には否認権が行使されます。例えば、東京地決平成22年11月30日金商1368号54頁では、破産手続開始決定前に行われた事業譲渡が破産管財人によって否認され、その結果、事業を譲り受けた会社が、約20億円という巨額の支払いを命じられています。

  ② また、破産手続申立前の事業譲渡では、債権者の意見聴取手続等もされず、債権者の視点から事業譲渡が適正に行われたかについて疑問を持たれる可能性があります。そのため、債権者の不満が事業譲渡先会社にいくこともありえます。

 

3 破産手続申立後・破産手続開始決定前の(保全管理人による)事業譲渡

 破産手続申立後の事業譲渡は、破産手続開始決定前は保全管理人により、破産手続開始決定後は破産管財人により、行われます。

(1)保全管理の必要性

  破産手続は、破産手続開始決定により始まりますが、破産手続開始の原因となる事実があるか審理されることから、申立後直ちに開始決定がされるとは限りません(特に、債権者申立事案では添付書類を十分に備えることが難しい場合もあり、開始決定は遅れがちです、破産法20条2項参照)。

  しかし、裁判所の審理中に、債務者が財産の隠匿を図り、または、財産を散逸させてしまっては、後に破産管財人が選任されても、債務者に本来存在するべき財産を確保できないという事態が発生しかねません。

 また、破産手続開始決定により債務者の免許が取り消されるなどして事業の継続が困難になる場合がありますが、それを避けようとすれば、債務者の事業を継続しながら債務者の財産を確保し、財団を増殖する必要性があります。

(2)保全管理命令

  そこで、破産法91条1項は、破産手続開始の申立があった場合において、債務者が法人の場合、裁判所は、債務者の財産の管理及び処分が失当であるとき、その他債務者の財産の確保のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、債務者の財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる旨を定めています。

(3)保全管理人による事業譲渡の要件

  破産法93条1項に基づき、債務者が営業を継続している場合には、保全管理人は財産管理の一環として営業を継続することもできます。なお、保全管理人の判断と裁判所の許可だけで、事業譲渡(破産法78条2項3号)をし得るかについては争いがあります。

  立法担当者の見解は、例えば債務者が株式会社である場合、株主総会の決議も必要というものです(小川ほか・新破産実務と理論33頁、会社法467条1項、309条2項11号)。理由としては、保全管理命令が発せられたといっても、債務者について破産手続が開始されている訳ではないという点にありますが、その当否については争いもあり、例えば、東京地裁の運用では、株主総会決議は不要とされているようです。

 

4 破産手続開始決定後の(破産管財人による)事業譲渡

(1)事業継続要件

 破産手続開始決定後の事業譲渡は破産管財人が行いますが、破産手続開始決定により、原則として債務者の事業は廃止されることから、事業譲渡を実現するためには破産管財人による事業継続の必要性が生じます。そこで、破産法36条は、破産管財人が裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる旨を定めています。

  事業継続の必要性を判断する要素としては、抽象的には、破産財団の増殖、維持等の観点から事業継続が必要ないし有益か、事業継続に伴う支出が可能か、事業継続する体制が確保できるか、事業継続する期間が明確になっているか等とされています。具体的には、以下のような場合、破産管財人による事業継続が認められています。

① 破産財団の増殖が見込まれる場合(仕掛品等の半製品が多く、事業の継続によってその製品化を行えば、当該製品を有利に換価できる)

② 破産財団価値の維持を図る又は破産財団に生じる損害を防止する場合(事業を継続しなければ多額の損害賠償や違約金の支払義務が発生する)

③ 直ちに事業を廃止することが社会的に相当でない場合(入院患者の多数いる病院、予約が多数ある旅行業者やホテル業者、多数の生徒が在学中の学校)。

 ④ その他、管財人が事業譲渡をしようとする場合

(2)事業譲渡要件

   続いて、破産法が定める事業譲渡の要件は以下のとおりです。

  ① 破産管財人が事業譲渡をするには、裁判所の許可を得なければなりません(破産法78条2項3号)。許可申請に際しては、譲渡の対象となる事業等の特定、譲渡の相手方、譲渡の条件、譲渡の必要性等を明記し、裁判所は、下記②、③の関係者の意見を聴取したうえ、諸般の事情を総合的に判断して許可するかどうかを決定します。

 ② 破産管財人は、事業譲渡をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合を除き、破産者(破産者が法人の場合はその元代表者)の意見を聞かなければなりません(破産法78条6項)。これは、破産者は、破産手続開始後も、破産財団に属する財産の所有者であり続けること、また破産債権に対する配当額が多くなることに利害関係と関心を有していること、破産財団の実情をもっともよく知る立場にもあることという理由からです。

 ③ 裁判所は、事業譲渡の許可をする場合には、労働組合等の意見を聞かなければなりません(破産法78条4項)。なお、ここでいう労働組合等とは、破産者の使用人その他の従業員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、ないときは破産者の使用人その他の従業員の過半数を代表する者をいいます(破産法32条3項4号)。

 ④ 破産者が株式会社である場合、本来であれば、事業譲渡は株主総会の特別決議事項です(会社法467条1項、309条2項11号)が、破産手続開始によって、破産者の財産の管理処分権は破産管財人に専属しているので(破産法78条1項)、事業譲渡につき株主総会決議等は不要であり、破産管財人は会社法上の手続を経ずに事業譲渡ができます。

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事業譲渡⑤民事再生

2021.07.14

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1 民事再生における事業譲渡の意義

債務者の事業について、民事再生手続では、破産手続と異なり、申立後あるいは再生手続開始後も管財人が選任されず、債務者の管理処分権が認められています(DIP型 民再法38条1項)。したがって、民事再生手続は、債務者自身が引き続き事業を継続しながら、主体的に再建を図る手続といえます。

しかし、債務者の一部の事業(ノンコア事業等)を売却すれば残りの事業を維持・存続することが可能な場合等、債務者自身の再建のため民事再生手続にて事業譲渡を行うことが有益な場合があります。更に、今後の運営を債務者自身に任せたままだと事業が劣化したりする場合は、事業全部を譲渡することで事業そのものの再生を図ることができます。民事再生法が会社としての存続・再建というより「事業の再生」を目的としているため(民再法1条)、事業譲渡により事業自体が生き残れるのであれば、その後、例えば債務者たる会社が清算に至っても民事再生法の目的には反しません。この場合、事業譲渡代金を主な財源として債権者に早期に一括乃至は短期間での分割弁済を実行することで、破産手続移行のリスクを回避することができます。このとおり、民事再生手続における事業譲渡は、債務者自身の再生のみならず、事業そのものの再生を図る有効なスキームとして実務上広く利用されています。

 

2 民事再生手続における事業譲渡の特徴

(1)事業譲渡の許可制度

   民事再生法上、事業譲渡は、再生債務者のみならず、債権者その他の利害関係人にも重大な影響を及ぼすため、民事再生法42条により、「事業の全部又は重要な一部の譲渡」をする場合、裁判所による事前の許可が求められています。もっとも、逆にかかる許可を得れば、再生計画によらずに、事業譲渡を実施することが可能であり、債権者の承認手続を経る必要がないことから、早期の事業譲渡が可能となります。

(2)株主総会承認決議の代替許可制度

   民事再生手続では、再生債務者が株式会社である場合において、株主が手続に参加することを予定していないため、事業譲渡は、原則として、会社法467条1項1号、2号に定める株主総会の特別決議によって、その承認を受ける必要があります。もっとも、事業価値の棄損を防ぐために、早期に事業の譲渡を行う必要がある場合もあることから、債務超過の株式会社の場合には、株主総会の承認を省略して、早期に事業譲渡を行うことができます(民再法43条1項、代替許可)。

(3)計画外事業譲渡と再生計画による事業譲渡

   上述した手続によれば、再生計画によらず、計画外で事業譲渡を行うことも可能であり、この場合、再生計画の作成・成立をまたずに、開始決定後、直ちに事業譲渡をすることが可能です(計画外事業譲渡)。他方、民再法上、明文の規定はないものの、再生手続の目的である事業の再生は、本来的には、再生計画の決議、認可決定により実施されるべきであると考えられていることから、再生計画によって事業譲渡を行うことも可能とされています(計画内事業譲渡)。

   再生計画による、或いは、再生計画外の事業譲渡については、以下3で詳細します。

(4)担保権消滅許可制度の利用による事業用資産の譲渡

  事業用資産に担保権が付着していた場合でも、それが、債務者の事業の継続に欠くことができない資産であれば、債務者は、裁判所に対し、当該資産の価格に相当する金銭を納付して、当該資産に存在するすべての担保権を消滅させることの許可申立をすることができます(担保権消滅許可制度 民再法148条)。かかる制度の存在により、担保権の付着した事業資産でもこれを解除して事業と共に譲渡することができます。

 

3  再生計画内事業譲渡

(1)民事再生手続上、事業譲渡を定めた再生計画を作成し、裁判所に提出したうえで、債権者による法定の決議を経て、事業譲渡を行うことができます。この場合、再生計画案についての決議や裁判所の認可という通常の手続に加えて、譲渡について、裁判所の許可等(民再法42条)を必要とするかについては見解が分かれています。再生計画案は、裁判所の付議決定を経た上で債権者に諮られその同意を得て裁判所がこれを認可します(民再法169条、172条の3、174条)。また、労働組合等も再生計画案等に意見を述べることができます(民再法168条、174条3項)。つまり、民事再生法42条で必要とされる関係者全ての関与が認められていることからすれば、これに加えて、同条の許可を得る必要はないと解する見解も有力です。実際に、東京地裁では、この見解に従った運用がされているようです。

   ただ、このような場合とはいえ債務者が株式会社の場合、株主総会の特別決議(会社法467条1項2号)かこれに代わる裁判所の代替許可(民再法43条1項)を得る必要があります。また、このような事業譲渡の契約は、再生計画案の認可を条件として事前に行われることが多いですが、事業譲渡が監督委員の同意事項として指定(民再法54条2)されている場合にはその同意も必要になります。

(2)再生計画にて事業譲渡を行う場合としては、時の経過による資産の劣化が軽微な事案において、債権者等の利害関係人の保護を考慮に入れたような場合です。また、債権者が主導する形で、事業譲渡を行う場合には、債権者が作成した再生計画案(民再法163条2項)の中に事業譲渡を定め、再生計画の認可を得て、譲渡を行うこと等も考えられます。 

 

2 再生計画外の事業譲渡

(1)また、民再法42条に定める裁判所の許可を得て、再生計画外にて、事業の全部または重要な一部の譲渡をすることができます。この場合、再生計画での事業譲渡と比べ、債権者の承認を得る必要がないため、事業劣化を防ぐスキームとして有益で早期に事業を譲渡することが可能です。

(2)もっとも、事業譲渡については債権者が強い利害関係を有していることは計画外譲渡においても異ならないため、裁判所が民再法42条1項に定める許可をする場合には、知れている債権者の意見を聞かなければなりません(同条2項)。裁判所は、民再法42条1項に定める許可をするかどうかにつき、短期間で適切に判断するため、事業譲渡に最も利害を有する債権者の意見を重視しており、例えば、債権者の多くが事業譲渡に反対している場合においては、原則として許可が出されないと考えられます。したがって、多くの債権者の反対が予想される場合には、事業譲渡の許可を求める前に、債権者に事業譲渡の必要性・妥当性などについて適切に説明する必要があります。なお、意見聴取の方法は、裁判所の裁量に委ねられており、裁判所は適宜の方法で意見を聞けば足ります。ただ、その運用は比較的厳格で、例えば、東京地裁では、債権者の規模にもよるものの、事業譲渡許可申立があった場合には、その2週間程度後に意見聴取期日を開催し、原則として全再生債権者の意見を直接聴くという運用がされています。なお、裁判所により承認された債権者委員会がある場合には、当該委員会の意見を聴けば足り、各債権者から個別に意見を聴く必要はありません。

(3)民再法42条1項の裁判所の許可に基づき事業譲渡を行う場合、監督委員が許可手続において、裁判所からの求めに応じて調査報告書(意見書)を提出するという運用がとられています。監督委員が調査報告書(意見書)において許可の要件を満たすかどうかについて意見を述べるため、許可申請の際には、許可要件を充足することについて監督委員を十分に説得できるだけの材料を揃え、手続を行うことが必要となります。

(4)なお、債務者が株式会社の場合には、株主総会の特別決議(会社法467条1項2号)か、代替許可(民再法43条1項)を得る必要があることについては、計画内譲渡の場合と同様です。 

 

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事業譲渡④第二会社方式

2021.06.28

1 意義

(1)第二会社方式とは、会社の事業のうち再生見込みのある事業について、事業譲渡等の手法を利用して別会社(第二会社)に承継させるスキームです。事業の一部を移転させれば、旧会社は不採算部門のみ残ることになり、事業の全部を移転させれば、旧会社は空っぽになります。旧会社の債権者からすれば、旧会社が破産、特別清算等の手続で消滅することが望ましいのでしょうが、現実には、そのまま旧会社が放置されたままという場合も珍しくありません。

(2)事業再生を考えるには収支の改善が必須ですが、幾ら改善しても合理的な期間に負債を完済できないのであれば、払えない部分の債権をどのようにするかが問題になります。

   これが私的整理であれば、債権放棄を求めることになりますが、政府系金融機関や地域金融機関では十分な対応が出来ないことがあります。その際、第二会社方式を採り、併せて旧会社を破産等させれば、間接的な形であるが事実上、債権者に債権放棄してもらうのと同じ効果をもたらします。

   また、これが再建型倒産手続であれば、払えない部分は法的に債権カットできますが、例えば、民事再生手続の場合、①公租公課や労働債権はカットの対象にならないばかりか、再生手続開始決定後も引き続き支払っていかなければなりません。免除益課税の問題もあり、それらが事業再生の足枷になることもあります。②再生債権であれば法的カットが出来るといっても、そのためには、再生債権者の頭数過半数及び債権額2分の1以上の同意が必要であり(民再法172条の3-1項)、そもそもそのための予納金等も馬鹿になりません(負債額が1億円以上5億円未満であったとしても、東京地裁の場合、その額は400万円とされています。)。前者①の問題を回避すべく、再建型倒産手続の中で第二会社方式が採られることもありますし、後者②の問題を回避する方法として第二会社方式が採られることもあり、これが破産手続と併せて行われるのであれば、簡易な法的整理としての意義を有します。

 

2 長所

(1)免除益課税を回避できる可能性が高い

   事業再生後も払えない債務(債権者からみれば債権)については、その放棄乃至は法的カットが必要になり、その反面として免除益課税が問題になりますが、第二会社方式をとる場合、それらは旧会社の処理としてなされるので、その問題を限りなく回避できます。

   併せて、旧会社について破産・民事再生その他の法的整理手続が採られるのであれば、債権者にとっても無税償却が容易に可能となり、その協力が得易いというメリットが加わります。

(2)スポンサーの支援が受け易い

   第二会社方式では、新たな会社を利用するので、簿外債務や過去の法令違反の問題を回避することができ、その結果スポンサーによる資金援助が受けやすくなるという長所があります。新たな会社を利用するということは、旧会社と事業を継続する第二会社とを明確に区別するということなので、それが私的整理の中で行われるのであれば、債権放棄に比べて金融機関の支援を受け易いというメリットも加わります。旧会社の整理を伴うのであれば、スポンサーから提供を受けた事業譲渡等の対価を債権者が一括で取得できるという点もメリットといえます。

 

3 注意点

(1)問題の所在

  ① 第二会社方式が、私的整理の一環として行われるのであれば、旧会社を破産・特別清算により消滅させるという点も含め、全金融機関等の同意の下で行われるので問題はありません。債務者は第二会社において事業再生を果たせます、金融機関は事業譲渡・会社分割による対価によって不良債権処理を果たせます、その対価は事業価値の毀損を避けるべく秘密裏に行われた結果として最大価値を有するものです、事業に関する取引先は何ら影響を受けずそのまま継続した取引を営めます、正に「三方良し」といえます。

    また、第二会社方式が、債務者主導下で行われたとしても、これが再建型倒産手続の中で行われるのであれば、債権者集会等債権者が関与する機会があり、ある程度の保障はあります。また、旧会社が破産手続を経る場合は、管財人と裁判所の目が光るので、ギリギリ大丈夫かもしれません。

② 問題なのは、債務者主導の下、第二会社方式による事業再生が行われたものの、旧会社がそのままの状態になっている場合です。事業譲渡等により資産移転はされているので、正当な対価が旧会社に入っていればいいのですが、そのようなものもないまま、放ったらかしにされている場合は意外と多いように思います。このような場合の債権者としては踏んだり蹴ったりでしょう。ただ、大人しい債権者ばかりではありません。旧会社が破産しないまま債権が残っているのであれば、中には様々な行動をする債権者もいます。

(2)商号続用責任

   このような場合、債権者としては様々な対応が考えられますが、ここでは商号続用責任について、簡潔に述べます(その他、取締役の第三者責任の追及-会社法429条、法人格否認の法理、債権者破産により管財人に否認権行使を促すといった方法も考えられます。)。

   事業譲渡により事業再生を図る場合、旧会社から顧客その他を譲り受けることが多いです。では顧客はどこについているかといえば、それは様々で、契約関係のみならず、人そのものや、場所、商品、看板、中には電話番号やメールアドレスであったりもします。従って、これらの承継も併せてされることも多いです。

   この点、新会社が旧会社の商号を続用している場合は、債務弁済責任を負うという規定があります(会社法22条1項)。ただ、その類推適用という解釈手法は進んでいて、例えば、新設分割によりゴルフ場の経営が旧会社から新会社に移転したものの、同じクラブ名称を用いていた場合に、同条項を類推して新会社に旧会社の預託金債権者に対する責任を認めたものがあります(最3小判平成20年6月10日集民228号195頁)。

 

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事業譲渡③事業再生・私的整理での有用性/会社分割との比較

2021.06.23

 

 

1 はじめに

 会社全体としては、著しい債務超過であっても、採算性の高い事業部門があれば、当該事業を出来る限り活用することが望ましいです。事業譲渡では、不採算部門の事業を処分し採算性のある事業を残すことができるため、事業再生にとって有用です。特に、これを私的整理の中で行うなら、風評被害等による事業価値毀損のリスクを可能な限り減らすことができ、コロナ禍での事業再生スキームとして、注目されているところです(コロナ不況の特徴については、https://saimu-law.jp/column/info2297/ を参照)

 

2 事業再生での事業譲渡の有用性/会社分割との比較

  事業譲渡と会社分割の違いは様々ですが、以下の点が重要と思います。

(1)期間の見通し

   事業譲渡は、当該事業を譲渡する旨の契約ですから、互いに合意了解さえすれば、直ちに実現できます(但し、事業の全部譲渡等であれば、株主総会等の手続が必要)。ただ、以下の注意が必要です。

① 譲渡スキームとして、売買等でなく現物出資・事後設立を選択する場合には、検査役の選任・調査といった手続が必要とされますが、その手続が何時終了するかは、検査役次第のところがあり、確実な予測が立ちません。

② 後述しますが、資産・負債・契約関係・従業員の移転は、個々に対応せざるを得ませんので、その点手間取れば時間を要します。

会社分割の場合、そのための手続期間は法定されていますので、期間の見通しは確実といえます。ただ、必ずその期間は必要なので省略できません。その意味で、一般的には、事業譲渡の方が、迅速性を有するとされています。

(2)資金の準備

   事業譲渡の場合、上記(1)①で述べたとおり、現物出資等による譲渡スキームには問題があるので、譲渡対価は金銭であることが多いでしょう。その意味で、資金が必要となります。他方、会社分割により事業再生を行う場合、分割対価は、新設会社乃至は吸収会社の株式であることが多いので、その意味で、資金を準備する必要はありません。

(3)資産・負債・契約関係の移転方法

  ① 事業譲渡の場合、個々の資産・負債等について移転手続を取る必要があります。この点、会社分割における資産・負債等の移転は、一般承継です。分割計画等に記載した資産や負債が分割効力発生日に新設会社に移転することになるため、特に債務の免責的移転(免責的債務引受)について債権者の個別同意を得る必要がない点はメリットといえます。ただし、債権者保護手続が必要な場合があります。

  ② 逆にいえば、会社分割の場合、特定の事業に関する債務が一般承継されるため簿外債務の承継を回避できない点がデメリットになります。この点、事業譲渡であれば譲渡契約で債務の範囲を特定することができるので、簿外債務・偶発債務の承継を回避できるのは利点です。

  ③ 事業譲渡の場合、改めて事業譲渡後に、譲受会社が許認可を取得し直さなければなりません。他方、会社分割では、分割会社が有する許認可が新設会社に承継されることが多いことはメリットといえます。

(4)従業員の移転

  事業譲渡の場合、従業員の移転(労働契約の承継)については、譲渡会社、譲受会社及び労働者の三者の同意が必要であるため、このうちいずれかの当事者が同意しなければ、労働契約は譲渡会社に残存することになります。他方、会社分割では、労働契約承継法により、承継事業に主として従事していた労働者の労働契約は原則として新設会社に移転することになります。

 

3 私的整理での事業譲渡の有用性/会社分割との比較

(1)私的整理とは、金融機関等のみを対象に、その全員の同意を要件として、リスケ・債務カット等をすることです(私的整理の概要は、https://m2-law.com/blog/1216/ を参照)。私的整理は、秘密裏に行われるため(密行性)、事業価値が棄損される程度は低いです。他方、法的整理と比較して、債務遮断効が弱く、商取引債務・簿外債務はカットの対象外です。また、債務のカットには全金融債権者の同意が必要であることから、金融債務のカット自体も低額しかできないことも多いです。このような点について、事業譲渡がどのように役立つかという視点から、会社分割と比較して、検討してみましょう。

(2)事業譲渡・会社分割のメリット

  ① 事業譲渡は、個々の取引行為として、簿外債務リスクを大幅に軽減できます。この点が一般承継である会社分割との違いです(上記2(3)②)。一般的に債務カットの範囲と程度が少ない私的整理において、この点は一つのメリットといえます。

  ② 事業譲渡を行う場合は、資産・負債等の移転は、個々の手続が必要で一見煩雑ですが、実務上早急に対応すれば短時間で処理できる場合が多いと思われます。一方、会社分割の場合、会社法上の手続が必要で、ある程度の時間を要する点で大きな違いがあります(上記2(1)②)。私的整理の密行性をどのように理解するかによりますが、事業譲渡が短時間で実現可能という点からすれば、密行性に資するといえるでしょう。

  ③ 会社分割は、一般承継なので、資産・負債・契約関係・従業員の移転は、相手方と交渉することなく簡略に実施できます(上記2(3)①)。多数の交渉が不要という意味で、私的整理の密行性には資するといえるでしょう。

 

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事業譲渡②意義・法的性質・手続

2021.06.16

1 意義

(1)判例の立場

   会社法・商法上、事業譲渡に関する定義規定がなく、解釈に委ねられています。

この点、会社法制定前の「営業譲渡」に関するものですが、最大判昭和40年9月22日民集19巻6号1600頁は「①一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む。)の全部または重要な一部を譲渡し、②これによって譲渡会社がその財産によって営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、③譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に〔平成17年改正前商法〕25条〔現行商法16条、会社法21条に相当〕に定める競業避止義務を負う結果を伴うものをいう」としています。

そして、この解釈は「営業譲渡」が「事業譲渡」に改められた会社法の下でも生きていると考えられていて、①有機的一体性のある財産、②譲受人による事業の承継、③譲渡人の競業避止義務の3要件を満たす場合が、株主総会決議の必要な事業譲渡にあたると考えられています。

(2)競業避止義務について

言い換えると、最高裁の考え方では上記3要件を充足しない場合、株主総会の特別決議は必要でなく、例えば、要件③競業避止義務を特約によって排除した場合には株主総会決議は不要となります。

しかし、最高裁の立場には異論があり、少なくとも要件③譲渡人の競業避止義務は、不要とするのが学説の多数です。このように事業譲渡の意義に関する見解は流動的ですので、単に要件③を外せば総会決議は不要と短絡的に考えるのは危険です。後に最高裁が学説に従って見解を変え要件③は不要と解すると、結果的にそれは株主総会が必要な事業譲渡であったということになり、総会決議を経ていない以上事業譲渡は無効という結果になりかねないからです。そこで、事業譲渡にあたるか否か即ち総会決議が必要か否かは、慎重に検討すべきように思います。

(3)有機的一体性のある財産

要件①で述べたとおり、事業譲渡とは「一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産」の譲渡であり、単なる事業用財産または権利義務の集合の譲渡はこれにあたりません。

有機的一体性のある財産の譲渡というためには、譲渡会社の製造・販売等に係るノウハウ等の譲受人による承継が必要であり、単に承継動産・不動産等を用いて同種の事業が行われているだけでは足りません(旭川地判平成7年8月31日判時1569号115頁)。

  ちなみに、会社分割の対象は「事業に関して有する権利義務の全部又は一部」とされていて、事業との有機的一体性は求められておらず、その範囲は事業譲渡の場合より広くなります(会社法2条29号、30号)

(4)事業の一部の譲渡とは、たとえば、食品事業とアパレル事業を営んでいる会社が、食品事業だけを譲渡するような場合をいいます(伊藤外「LQ会社法第5版」有斐閣458頁)。  

 

2 法的性質

(1)取引上の行為

事業譲渡は、個々の資産負債や契約上の地位を移転・承継すること(特定承継)を目的とする取引上の行為です。その結果、事業譲渡は、原則として当事者間の合意のみによって行うことができます。この点が、組織再編行為である会社分割では、原則として、株主総会の特別決議が必要とされていることとの違いです。

もっとも、単なる事業譲渡を超えて「事業の全部又は重要な一部を譲渡」する場合には、株主の重大な利害に関わることから株主保護の必要性があり、株主総会の特別決議による承認(会社法467条1項)や反対株主の株式買取請求権(会社法469条1項)が必要になります。

(2)財産の移転や債務の承継

事業譲渡は、個別の資産負債や契約上の地位を移転・承継する取引上の行為という法的性質から、個別資産の譲渡、免責的な債務の移転に関する債権者の承諾、契約上の地位の譲渡に関する相手方の承諾、労働者の移転に関する労働者の同意などについて個々の手続が必要です。この点が、組織再編行為である会社分割では、これらが一般承継として原則不要とされることと違っています(反面、会社分割では、債権者保護手続や労働契約承継法の定めに従わなければなりません。)。

ただ、個別資産の譲渡(会社分割の場合は分割契約に基づく資産承継)の対抗要件具備については、事業譲渡の場合は当然に個々に備える必要がありますが、この点は会社分割も同様です。例えば、個別資産が不動産の場合、別途対抗要件としての登記を具備しなければ第三者(事業譲渡会社・吸収分割会社から、不動産の二重譲渡を受けた者)に対抗することができません。

なお、行政上の許認可については、事業譲渡では原則として許認可の再取得が必要となるため、譲受会社が許認可を取得し直さなければなりません。

 

3 手続

(1)覚書の締結

  会社法467条1項1乃至3号に定める事業譲渡(以下、単に「事業譲渡」といいます。)を行う場合、先ず譲渡会社は譲受会社との間で、事業譲渡の対象となる事業の範囲、事業譲渡の対価、譲渡時期、労働契約の承継の有無等について協議を行います。そして、重要点につき合意に至った場合には、事業譲渡契約の締結前に、覚書を交わすことが多いでしょう。

(2)事業譲渡及び株主総会招集に関する取締役会決議

  ① 重要な財産の処分及び譲受けに該当する可能性

事業譲渡とは、単なる事業用財産・権利義務の集合の譲渡を超えて「一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産」を譲渡することです。したがって、当該会社にとって当然「重要な財産の処分及び譲受け」(会社法362条4項1号)に該当する場合が多いでしょう。すると、事業譲渡契約を締結する場合、取締役会設置会社ではその承認決議が必要になります。

  ② 株主総会の招集

   譲渡会社・譲受会社は、事業譲渡について、上記事業譲渡契約締結に関する取締役会の承認決議と併せて、株主総会の招集も決めることになるでしょう。  

(3)事業譲渡契約の締結

  譲渡会社・譲受会社は、総会決議が必要な事業譲渡であったとしても、上記取締役会の承認が得られた段階で事業譲渡契約を締結するのが通常です。但し、それは総会決議の承認を条件としたものになります。その際に作成される事業譲渡契約書は、会社法上要求されているものではありませんが、事後の紛争を防止することを目的として作成されます。この点、組織再編行為たる会社分割の場合は、法定事項を定めた組織再編契約や組織再編計画の作成・備置等が求められることが違いです。

(4)株主総会決議

  ① 招集手続

   事業譲渡に関する株主総会を行う場合には、原則として株主総会の2週間(非公開会社においては原則1週間)前までに、株主にその招集通知を発しなければなりません(会社法299条1項)。

  ② 株主総会決議を必要とする場合

   原則として株主総会の特別決議により承認を受けなければならない事業譲渡は、以下の場合です(会社法309条2項11号)。

  ア 事業の全部又は重要な一部の譲渡(会社法467条1項1号、2号)

  イ 他の会社の事業の全部の譲受け(会社法467条1項3号)

   譲渡会社と譲受会社とで違いがあるので、注意してください(事業の重要な一部を譲渡する場合の株主総会決議は、譲渡会社では必要ですが譲受会社では不要です。)

(5)反対株主の株式買取請求権

  事業譲渡をする場合、反対株主は、事業譲渡をする会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができます(会社法469条1項)。事業譲渡が行われた場合、会社の財産状態が大きく変動し、株主の地位に重大な影響を及ぼすことがあるからです。

(6)その他

  事業譲渡の効力は、事業譲渡契約で定められた効力発生日に生じます。株主総会決議の承認が条件とされているのであれば、その日ということになるでしょう。もっとも、事業譲渡は特定承継ですから、譲渡会社の有するその他の資産、負債を引き継ぎ、従業員を雇うのであれば、個々に移転等の手続をとる必要があります。

 

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投稿者:弁護士法人村上・新村法律事務所

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