不動産

宅建業行政処分⑤取引の公正を害する行為

2021.12.20

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平成27年8月から令和3年6月までの間に大阪府から、取引の公正を害する行為として、宅建業法違反で行政処分を受けた違反行為は、以下のとおりです(以下の番号は、別表第1に付した番号に従っています。別表第1については、https://m2-law.com/blog/3368/ 参照)。

 

51 取引の公正を害する行為

(1)宅建業法は、第6章(監督)65条で、宅建業者に対する指示及び業務停止について定めています。

業務停止に関しては原則として法65条2項が定めるところで、その処分の重さに照らしても、違反行為類型は比較的明確です(不正不当行為は例外)。そして、指示に関して原則として定めるのが法65条1項で、その中でも2号の「取引の公正を害する行為」という概念を通じて、2項以外の宅建業法違反行為を集めて「指示」等の処分に導いていくという、バスケット条項的な位置付けがあります。

逆にいえば「取引の公正を害する行為」がどのようなものかについては、現実の処分例を参考にすることが不可欠です。

ちなみに「取引の公正を害する行為」そのものの処分は「指示」に留まり弱いですが、なぜそのような処分までするのかということを考えると他により重く処分される行為を行っていることが多いからであり、最終的な処分結果が必ずしも軽いものとはいえないように思います。

(2)具体的処分例

ア 売買契約に関する重要事項説明書に、対象物件の敷地の中に国所有の畦畔があるにも関わらずその旨を記載せず、売主であるにもかかわらず、売主の表示に事実と異なる表示をした。

指示のみ

 賃貸借契約書に、転貸借が可能であるにも関わらず記載せず、付属設備に存在しないエアコンを記載した。

業務停止10日間 他に重要事項不説明(14-原則業務停止7日)と契約書不備(17-原則業務停止7日)の違反があったことが影響しています。

ウ 広告費について虚偽の内容の領収書(130,000円受領したにもかかわらず140,000円と記載)を貸主に交付

業務停止22日間 原則指示の違反行為類型ですが、他に賃貸契約書記載不備の違反(17-共益費の外に月々支払う8,000円の不記載・原則7日間の業務停止)と限度額を超える報酬の受領(28-特別な広告をしていないにも関わらず広告費として130,000円を受領・原則15日の業務停止)があったことが影響しています。

エ 重要事項説明書及び売買契約書に、ア法39条2項に反する買主に不利な手付解除期日を設定、イ日付の異なる手付金の領収書を2通作成し、買主に交付

業務停止44日間 原則指示の類型ですがその他、重要事項説明書の虚偽記載が複数の取引でなされていたり(14-原則業務停止7日)、さらに内容の異なる重要事項説明書や売買契約書を作成し金融機関に交付されたりしたことが不正不当行為と認定されたことが影響しています(54-原則業務停止30日)。

オ 契約が成立していないにもかかわらず、手付金を受領

業務停止45日間 原則指示の類型ですが、他に預り金の返還拒否(41―原則業務停止15日)や預り金流用(54―原則業務停止30日)の違反があったことが影響しています。

 賃貸借契約締結前に媒介報酬を受領

指示のみ

キ 取引することができる物件であったにもかかわらず、貸主に確認を取ることなく、被処分者自らの判断だけで賃貸借契約の媒介を断り、入居申込者の賃貸借契約締結の機会を奪った

  指示のみ 

ク 建物の賃貸借契約に係る媒介業務において、被処分者は調査義務を怠り、4階を適法に使用することが出来ない旨重要事項説明書に記載せず

 指示のみ

ケ 契約解除期限の到来前に、買主に対する金融機関の融資の承認が困難となったことを売主に通知・説明し、買主と売主との間で契約解除期限延長の合意の仲介をするなどの適切な業務の遂行をせず

  業務停止7日 他に媒介契約書の不交付(11-原則業務停止7日間)があったことが影響しています。

 

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投稿者:弁護士法人村上・新村法律事務所

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